シリコンインゴットから太陽電池用にシリコンを切り出す際に発生する大量の切り屑が生じないために、シリコン使用量が少ない点がメリットになります。
商業ベースに乗せるには十分な変換効率の球状シリコンの配置、配線など全体をまとめたコストをどこまで下げられるのか、球状ならではのアプリケーションを開拓出来るかが試練になってきます。
色素増感型は、シリコン半導体を使わずにヨウ素溶液を介した電気化学的なセル構造を持つのが特徴です。
また、材料が安価で製造に大掛かりな設備を必要としないことからも、低コストの太陽電池として期待を集めています。
しかし、液体を使用しているために、液漏れなど寿命と安定性に問題があります。
理論的な変換効率は33パーセントですが、まずは10パーセント台での安定稼動が課題です。
色素増感型は真空蒸着プロセスを使用しないために、材料さえあれば一般家庭でも簡単に製造することが出来ます。
当初、実用化は2030年以降と考えられていましたが、技術進化は加速していて、小面積であれば十分な性能と耐久性があるものが製造出来るようになってきました。
有機薄膜太陽電池の開発も進んでいます。
CIGS同様、塗布・印刷などの技術で安価に製造できる可能性があることから注目されています。
日米の企業が製品化に挑んでいて、変換効率10パーセント弱の太陽電池の製造には成功しています。
フレキシブルタイプの太陽電池は柔軟性があり、衣服・ビーチパラソルなどにも使用出来ます。
携帯電話のジャケットに装着する方式のものも近く発表される予定です。
フレキシブル太陽電池は、非真空系量産技術が確立されて信頼性が保証されれば、大きな市場となる可能性があります。